部門紹介 リハビリテーション部

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部門長ごあいさつ

「最新の脳科学」に基づいたリハビリを行うことで、
患者・家族の皆様に喜んでいただけるように

かつて脳は一度損傷を受けると二度と元に戻らないと言われていました。
それがここ数年、脳には治ろうとする力があることがわかってきました。それを脳の可塑性と言います。

脳の可塑性改善を追及した治療法の一つが、かつてNHKスペシャルで「リハビリ革命」として紹介された、鹿児島大学名誉教授の川平和美先生が考案された『促通反復療法』です。川平教授には、おおぞら病院新築オープン以来毎年(コロナ禍の3年間を除く)講義・実技指導をいただき、2017年に促通反復療法実施施設として認定していただきました。

私たちはさらに電気刺激療法や振動刺激療法、部分免荷トレッドミルやリハビリロボットなどの最新のリハビリ治療技術も駆使し、髙いリハビリ治療効果を挙げています。また、2019年より脳卒中後手足の筋肉がつっぱる「痙縮」という症状に対するボツリヌス療法も行っています。

私たちは「最新の脳科学」に基づいたリハビリを行うことで、「おおぞら病院でリハビリして良かった」と患者・家族の皆様に喜んでいただけるよう、スタッフ一丸となって日々取り組んでいます。

副院長・リハビリテーション部長 上甲 隆敏

リハビリテーション部について

最先端のリハビリ機器を使用して治療に取り組みながら、
コミュニケーションを大切に工夫・努力を

当院のリハビリテーション部は回復期病棟・一般・地域包括ケア病床・外来・訪問リハ各セクションに分かれて活動しています。 すべて365日体制で、日常生活動作改善の為の個別リハビリに加え、自主練習指導・病棟での起立訓練などを行い、患者さんの早期退院を目指しています。

脳血管疾患においては促通反復療法を中心にロボット・トレーニングマシン等最先端のリハビリ機器を使用して治療に取り組んでおり、回復期病棟においては高い実績指数を継続しています。 教育の一環として研修会・学会参加も毎年コンスタントに行われており、学会等発表実績を上げています。 リハビリ専門医も2名在籍しており、2016年には日本リハビリテーション医学会研修施設に認定されています。

毎年、各分野における資格取得を目指しているスタッフも多くいます。リハビリテーション部は目標をもって仕事が出来るようラダーの制度も取っています。今後も一人ひとりに対して必要な情報提供を行なう等コミュニケーションを大事に管理者として工夫・努力をしていきたいと思っております。

副部長 立花 紀子

(認定地域・認定管理 理学療法士)

アウトカム実績

平成28年度診療報酬改定より、質の高いリハビリテーション(リハビリ)を評価し、患者の早期機能回復を促進するために、回復期リハビリ病棟においてアウトカム評価が導入されました。その一つに日常生活動作(ADL)の改善があります。
現在、回復期リハビリテーション病棟のADL改善の指標として用いられているのが『実績指数』といわれるものです。

実績指数の計算は

現在診療報酬にて施設基準上回復期リハビリテーション入院料Ⅰの基準を満たすためには『実績指数』40以上と定められています。
当院回復期病棟はグラフのように、毎月『実績指数』40以上をクリアしています。

令和5年度

脳血管・運動器退院患者数

効果実績

業務内容・役割

PT 理学療法士
(PT / Physical Therapist)

PT 小池主任

(3学会合同呼吸療法認定士)

最最善の理学療法を提供できるように、
日々研鑽を積み重ねて参ります

理学療法士はケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職です。

当院では主に脳卒中、骨折、人工関節、肺炎、糖尿病などの疾患に対し、最新の機器(電気刺激装置、振動、免荷式トレッドミル、治療用装具等)を用いてエビデンスに基づいた理学療法を提供しています。

また学会発表にも取り組んでおり当院でのリハビリ成果を積極的に発信しています。
今後も患者さんに最善の理学療法を提供できるよう日々研鑽を積んでいきたいと思います。

個人目標
となる資格
  • 認定理学療法士
  • 日本糖尿病療養指導士
  • 健康運動指導士
  • 専門理学療法士
  • 愛媛糖尿病療養指導士
  • 3学会合同呼吸療法
    認定士
  • 登録理学療法士

理学療法とは

理学療法とは、ケガや病気などにより身体に障害を有する人に対して、下記のような療法を行い、日常生活に必要な動作の獲得を図ります。

運動療法
筋力・関節の動き・体力などの運動機能に働きかけ、起き上がる・歩く・階段の上り下りなどを促す。
電気刺激療法
痛みや緊張の緩和を促す。
当院理学療法の特徴
  • 退院後の生活を想定したリハビリテーションメニューを作成しています。
  • 患者さん一人ひとりの状態・状況に応じたリハビリテーションを行っています。
  • 患者さんへの自主トレーニング指導やご家族への介助方法等の指導を行っています。

OT 作業療法士
(OT / Occupational Therapist)

作業療法士は、日常生活を送る上で必要な心身機能の回復を促し、患者さんが食事、着替え、入浴といった身の回りの動作を主体的に行えるためのサポートを行う専門職です。当院では、生活場面での身の回りの動作に加え、家事動作(買い物、調理、掃除、洗濯など)、立地を活かした屋外移動や公共交通機関利用の練習など患者さん1人ひとりに適した練習を行っています。

自宅に退院する患者さんにはご自宅での動作の聞き取りや家屋訪問にて家屋環境を把握し、福祉用具の選定や家屋環境の調整、実際の生活を想定しながら練習していきます。
また、認知症や高次脳機能(考えたり、覚えたりする機能)障害の方の生活能力を高める取り組みや、生活支援についても関わりを持っています。

おおぞら病院の作業療法の基本として、患者さん中心の作業療法を目指して頑張っています。患者さんの要望・希望に応えられるように、心と体・活動・環境の3つの分野に対して支援していける広い視野で関わっていきます。

個人目標
となる資格
  • 生活行為向上マネジメント
  • レクレーションインストラクター
  • 福祉用具プランナー
  • 認定作業療法士
  • 福祉住環境コーディネーター(2・1級)P・O共通
  • 専門作業療法士

作業療法とは

作業療法では食事、排泄、更衣、整容、入浴など日常の作業・活動(日常生活動作)の獲得を図ります。片麻痺の後遺症を持った状態から生活を再建していくために、実用的に手で道具の操作が出来るよう機能的改善を図り、機能的な改善が難しい場合には利き手の交換、福祉用具の使用や環境の調整、一部介助を行うなど代償的に解決を図ります。

日常生活動作は、ご自宅での動作を聞き取りや家屋訪問にて把握し、実際の生活を想定しながら練習していきます。

ST 言語聴覚士
(ST / Speech-Language-Hearing Therapists)

ST 小泉主任

患者さんが自分らしい生活を送れるよう、
患者さんとご家族へのサポートを行います

言語聴覚士はコミュニケーションの問題のある方や食べることの問題のある方に対して、聴覚、発声、構音、言語、高次脳機能、摂食嚥下などの評価、練習、指導、支援等を行う専門職です。

病気や事故などで言葉の理解が十分にできなくなったり、思っていることが上手く言葉に出来なくなったりする失語症の患者さんや、口唇や舌などが麻痺によりうまく動かせず発話が不明瞭となる構音障害の患者さんに対して、コミュニケーション方法の提案(文字や絵を使う、ジェスチャーを併用する等)やリハビリを行っていきます。
高次脳機能障害の患者さんに対しては特に作業療法士と協力しながら、日常生活場面での問題点を考え、それに対してのリハビリを行っていきます。

当院では摂食嚥下機能障害を見落とさないように、年齢や疾患等で定めた院内基準によりリスクの高い方を対象とし、言語聴覚士が入院日に必ず摂食嚥下評価を行います。
問題を認めた方には、必要に応じて嚥下造影検査(VF)や嚥下内視鏡検査(VE)を行い、また集中的な嚥下リハビリテーションが必要な方へは、早出遅出勤務にて、朝食前の口腔ケア、咀嚼や嚥下を改善させるための練習、安全な食べ方の指導、食事形態の調整などを積極的に行っています。

近年ではリハ栄養(リハの内容を考慮した栄養管理と、栄養状態を考慮したリハを行うこと)の考え方を取り入れ、管理栄養士と協働しながら食事の形態やカロリー量、補助栄養の選択等を行なっています。
退院後の生活に不安が残る入院患者さんや、主に発音の誤りがある就学前の子供に対しては、目標と期間を設定した上で、外来での言語療法も提供しています。

今後も、患者さんが自分らしい生活を送れるよう、患者さんや家族への支援を行っていきます。

個人目標
となる資格
  • 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士
  • デイサースリア スーパー認定セラピスト
  • 認定ST 嚥下・高次脳
  • デイサースリア 認定セラピスト

言語聴覚療法とは

私たち言語聴覚士は、ことばを話すこと・聞くこと・読むこと・書くことといったコミュニケーションに問題のある方(聴覚障害・音声障害・構音障害・失語症・高次脳機能障害等)や食べること・飲みこむことが難しい方(摂食嚥下障害)への練習や支援を行います。

また外来においても、成人のコミュニケーションの問題(失語症・高次脳機能障害・構音障害等)、小児の発音の問題(構音障害)を対象に言語聴覚療法を行っています。お気軽に当院リハビリテーション部までお問い合わせください。

言語療法外来(ことばの教室)について

当院では、成人と小児の方を対象に外来での言語聴覚療法を行っています。成人の場合、脳卒中後の「ことばが出てこない、意味がわからない」といった失語症直接的・間接的に言語に影響する高次脳機能障害、または「声が出にくい、呂律が回らない」といった発話障害等が、日常生活や仕事におけるコミュニケーション等に影響を及ぼします。当院ではそのような方に対して、外来にて退院後のフォローを中心に取り組んでいます。また、他院からのご紹介にも対応しています

小児の場合、聞こえの問題は無くても、コミュニケーションがとりづらい、発音に問題があるなどの症状がみられることもあり、日常のコミュニケーションや学習に影響を及ぼします。当院では特に発音に問題がある方に対して他院小児科からの紹介に限り外来にて評価、指導、助言等を行なっています。

※受診にあたり、紹介状が必要となります。

条件など
対 象
就学前の子どもの発音の問題
成人の失語症(聴く、話す、読む、書くことが難しい)、高次脳機能障害(記憶障害、注意障害、遂行機能障害等)、構音障害(顔や口の麻痺による呂律難など)
対象年齢
5歳~成人
  • 小児については中学校入学までを一区切りとさせていただきます。
紹介状
必要に応じてご準備いただきます。
小児は他院小児科医、成人はかかりつけ医の紹介状を事前に送付、または予約当日に持参してください。
諸注意事項
  • 机上での課題が困難、医学的処置が必要等の問題がある場合には、言語聴覚療法をお断りさせていただくことがあります。
  • 予約制となっております。

リハビリ機器・設備紹介

2階リハビリテーション室には、広いスペースに豊富なリハビリテーション機器を取り揃えており、整形外科疾患・脳梗塞後遺症など、
患者さんの様々なニーズに合わせて物理療法治療を行えます。

ニューウェイト

免荷装置は、急性および慢性の腰背部痛から最先端のパフォーマンス強化に至るまで、どの分野においても重要ですが、本製品は空気圧によって体重(135kgまで)を免荷することができる新技術を採用した新免荷システムです。

リハビリテーションやスポーツ、トレーニング分野で痛みの除去、および痛みを許容できる環境を安全に提供します。

リハビリロボット Cocoroe AR2

トレーニング機器

ショルダーリンク

主に肩、背中を中心とした深層筋群の運動と強化

チェストリンク

主に胸、背中、腕を中心とした深層筋群の運動と強化

ソウアスリンク

主に大腿筋を中心とした心臓筋群の運動と強化

エルゴメーター

スポーツを実際に行ているのと似た条件の負荷をかけて運動する人の体力測定やトレーニングを行う

ニューステップ

上半身と下半身の運動を同時に行うことができ、全身の大きな筋群を全て働かせることができるので、脂肪燃焼、筋力強化、心肺機能の向上に大きな効果があります

住宅シミュレーション室

2階リハビリテーション室の1区画に住宅シュミレーション室の設備を設けています。

調理場・洗濯・トイレ・和室など、在宅復帰を目標として、より自宅生活に近い環境での訓練が提供できます。

キッチン(自宅訓練)

畳部屋(自宅訓練)

ボツリヌス治療について

脳卒中の後遺症の一つとして、手足の筋肉が緊張しすぎてつっぱってしまう「痙縮」という状態があります。手指が握ったままとなり開きにくい、肘が曲がり伸びにくい、などの症状です。ボツリヌス治療とは、ボツリヌス菌が作り出す天然のたんぱく質を有効成分とする薬を筋肉内に注射し筋肉のつっぱりを軽減する治療法であり、併せて注射後に十分なリハビリを行うことが重要となります。

手足(上肢・下肢)痙縮に対して保険診療が認可されており、脳卒中治療ガイドラインで推奨されている治療です。深部にある筋肉を対象とする場合、筋肉の触診のみではなくエコー(超音波)装置や筋電刺激装置を併用し、より効果的な治療を行っております。

  • 身体障害者手帳をお持ちの方対象になります。

治療受け入れ
対象
  1. 積極的な治療継続の意志がある(3ヵ月に1回の注射が必要です)
  2. 具体的な目標設定ができる(例:コップが持てるようになりたい、楽に着替えがしたい)
  3. 痙縮による関節のこわばり、麻痺、疼痛、日常生活の制限で困っている
  4. 自宅でのセルフエクササイズができる
  5. ご家族の協力による運動療法を継続する事が出来る

促通反復療法について

かつて脳は一度損傷を受けると元に戻らないと言われていました。それがここ数年脳には可塑性があることがわかってきました。促通反復療法とは一度損傷した神経回路の再建と強化を促すリハビリ治療法です。脳卒中治療ガイドラインでも促通反復療法は脳卒中後遺症である麻痺を治療するリハビリ治療法としてで推奨されています。

さらに近年は再生医療後に行うリハビリ方法としても注目を集めています。また電気刺激療法についても「日本はアメリカより10年遅れている」と言われています。当院では促通反復療法に最新の電気刺激治療を併用してリハビリを行っています。

回復期リハビリ病棟施設基準には患者さんがどれだけ短期間でより日常生活動作能力が向上したかを示す実績指数というものがあります。施設基準には1から6まであり、1が最も厳しい基準ですが、施設基準1では実績指数40以上であることが必要です。当院直近の実績指数では55.2とさらに高い基準でクリアできており、回復期リハビリ病棟施設基準1を維持しています。

“おおぞら病院でリハビリをしてよかった”と患者さんやご家族の皆様に喜んでいただけるよう、スタッフ一丸となって日々頑張っています。

おおぞら病院 OOZORA HOSPITAL

教育・研修・資格取得・
地域活動について

  1. 新人教育

    当院では、先輩がマンツーマンで指導・教育・フォロー・ケアを行う『プリセプター制』を採用しています。
    プリセプターによる入職2ヶ月間の個別指導を行います。

    4月1日~2日

    新規採用者オリエンテーションの実施。

    新入職員オリエンテーション詳細
    4月1日~3日
    4月上旬
    4月中旬~下旬
    • プリセプターに付いて見学及び部分的に移乗動作、歩行介助、動作指導などに介入する。
    • 基礎業務(カルテ記入、カンファレンス、FIM、評価等)も共同で実施する。
    4月13日~30日
    (3週間)
    • プリセプターの患者さんを新人ベースでリハ介入してもらう。
    • プリセプターは補助的役割にまわる。
    GW明け~
    • 新患を含めた担当患者をもつ。新人個々の達成度に合わせて持ち患者人数調整する。
  2. 新人・現職者
    共通プログラム

    年間を通じてリハビリテーション部主催の勉強会を月1回程度のペースで行っています。
    また、各専門分野の研修会も随時行っています。

  3. 外部研修

    外部研修への参加、認定資格の取得、学会発表を奨励しています。
    研修費の支援制度があり、伝達講習会を開催する事で得た知識をスタッフ間で共有しています。

  4. 実習生受け入れ

    現在4校の見学実習、短期評価実習、長期臨床実習を受け入れています。

  5. 現職者の
    資格取得人数
    令和4年度実績
    • 3学会合同呼吸療法認定士
      1名
    • 日本糖尿病療養指導療法士
      4名
    • 認定理学療法士
      計23名
      • ・運動器 3名
      • ・脳血管 5名
      • ・地域 4名
      • ・補装具 1名
      • ・介護予防 2名
      • ・徒手 1名
      • ・神経筋障害 1名
      • ・代謝 4名
      • ・臨床教育 1名
      • ・管理 1名
    • 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士
      1名
    • 生活行為向上マネジメント指導者
      1名
    • 健康運動指導士
      1名
    • 福祉住環境コーディネーター(2級・1級)

リハビリ関連学会発表一覧

令和5年度の学会発表について

2型糖尿病患者のフレイル合併による介護度上昇の比較検討

第66回日本糖尿病学会年次学術集会
筆頭演者
小室 博 PT
共同演者
吉田 直彦 Dr
開催日程
令和5年5月11日(木)~13(土)
会 場
城山ホテル鹿児島・鹿児島県民交流センター・宝山ホール
演題募集期間
終了

フレイル合併2型糖尿病患者のHbAIcの程度による介護度・フレイル項目調査

第66回日本糖尿病学会年次学術集会
筆頭演者
河野 桃子 PT
共同演者
吉田 直彦 Dr
開催日程
令和5年5月11日(木)~13(土)
会 場
城山ホテル鹿児島・鹿児島県民交流センター・宝山ホール
演題募集期間
終了

リハビリテーション部
地域・県士会活動

リハビリセミナー

介護予防教室

夏祭り協力 味酒小学校

糖尿病デイイベントinおおぞら病院

味酒地区ソフトボール大会

愛媛マラソンメディカルサポート参加

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